イザナギは死んだ嫁イザナミを忘れられず　黄泉の国へ。

「帰ってもっと子を産もう」
「黄泉の神に聞いて来るから見んといて」

イザナギ待ちきれなくて　火を灯す。
「見るな言うたのに」
怒れたイザナミ　八つの雷神を見にまとうて追いすがる。
逃げるイザナギ　はてさて　どうなる事やら。




オホイカヅチ　[頸]　閃く神
ホノイカヅチ　[胸]　膨らむ神




クロイカヅチ　[腹]　整う神
サクイカヅチ　[股]　当る神




ワカイカヅチ　[左手]　答える神
ツチイカヅチ　[右手]　受かる神




ナルイカヅチ　[左足]　持てる神
フスイカヅチ　[右足]　走る神


黄泉の国は　地下の国とされてきた。

日本神話を四月から一年に当てはめると
梅雨にあたり　薄暗く雷を伴うのも合点が行く。

迫る長雨　田拵えを急かす神々。

斬り殺されたカグツチの体から　八つの神なった。




マサカヤマツミ　[頸]
オドヤマツミ　　[胸]




オクヤマツミ　[腹]
クラヤマツミ　[股]




シギヤマツミ　[朏(てば)]　腕のモモの造語
ハヤマツミ　　[胙(かま)]　腕のスネの造語　両胙で脹(ゆみ)




ハラヤマツミ　[腿]
トヤマツミ　　[脛]


一般的には山の神　本作では畑の神。

切り分けられた種芋から
それぞれ目を出す神話の定型。

ホトトギス [時未]　刻告げ天駆ける未(ひつじ)




ミヅチ[巳鎚]　岩穿ち水走る蛇




ハハキ[帚圭]　突き抜き果たす蛙(かはず)




ジョロ[娘狼]　華かざす六足の狼


[二五六]
  四方の神様にして季節の神
  古事記に名前のみ登場する黄泉神(よもつかみ)
  四方神(よもつかみ)として本作にて付け足し

フキアヘズ

屋根を葺き終える前に生まれたので葺キアヘズ
育ててもらった母の妹を嫁にする




ヨリヒメ

甥っ子フキアヘズとの間に　四つの子を産む




ワカミケヌ

末っ子ワカミケヌは　やまとを統一　初めの王となる
ここで神の代　もう終い
ここからは人の王　ワカミケヌの時代

[二五六]
本作では猫の王　ワカミケヌコの時代

ヤマヒコ

兄ウミヒコに借りた釣針を失くなす
海神の助けを借りて兄を懲らしめる 空の子




トヨヒメ

空の子ヤマヒコと一目で惚れる 魚の姫
子を産む姿を見られて海へ帰る